人間て、見たくないものは見ないでいようとするんです。誰も自分を否定されたくない、だからほとんどの人は何かが起こっているとわかっていても何もしないんです。一番最初に出てくる反応は現状を元に戻そうとします。どんなことでも、時にはうまくいかないことが、最初からわかっていてさえ。なぜかって言えば、変化を認めなければ自分の過ちや愚かさを認めないで済むから。

 秋という時期に最も思い知らされることといえば、migrationという考え方です。聞き覚えや馴染みがなくとも、春になったら「浅瀬にさしてくる」というのがラージマウスにおけるmigrationの動きとなります。
 何が言いたいのかというと、春以外の季節にラージマウスにしても他の魚にしても急に浅い場所に移動したり、逆に深い場所に移動したりすることというのはそれほど顕著ではなく、同じ水深・ゾーンを生息域としているということです。そういったラージマウスの普段の生息域・生活圏のことを昔はよくsanctuaryなんていう専門用語を使っていたこともありました。日本では辞書的に聖域だとか禁漁区といった意味を信じて「人から手つかずの場所」といった誤用というか解釈違いの表現でした。もちろんラージマウスの魚体のウェイト(the U.S.の一般的な湖沼で)1-4pounderが多数派の群れとなってそのような動きをするのが基本となり、5pounder以上の大型魚は群れることなく別行動したりします。従ってそういった多数派が群れとなることからその日そのときに「パターン・フィッシング」が成立するのです。さらにこれはnone residence/non-resident fishとresidence/resident fishと釣り分ける基準になり、プロ達はトーナメントで常にこれを意識しながら釣っていたりするわけです。
 このように「秋だから魚が散って釣り辛い」なんていう言い訳をしがちですが、実はそういった魚の季節別のmigrationが読めていない、知識として知らないだけだったりするということがプロを自称する連中を含めて非常に多いという偏見があるということです。短期間に浅いところに移動するのは春の産卵期だけだと思い、基本的には深いところから浅いところには移動しないものだと考えるのが魚から考えたときの基本であるということを意識すると少し秋の魚の動きが見えてきたりします。ただし、それは夏に魚の多数派がどこにいたのかという検証や地図からの推測、とどのつまりは経験を積んでいないとなかなか見えてきません。

 さて、季節的な釣りの前置きはこのぐらいにして本題に移りたいと思います。久々に時間があったのでWired2fishのVideoカテゴリーに面白そうなものがないか見ているといくつか良いことを言っている動画があったのでその一つを紹介しておこうと思います。
 当ブログは一応ロング・キャストは応用であって基本ができていない人がロング・キャストしたところで釣りになるはずがないという立場であるというのは読んでいればわかることかと思います。しかし、キャスティングを成立させる要素の一つとしてのツール、それもロッドについて正しいことが動画内で述べられています。Jonathan Vandamがロング・キャストを成立させるロッドに必要な要素を"You wanna make sure the rod has enough tip for the bait that you cast."と言っているのです。最近のロッド表記によくありますがExtra-Fastなんていうテーパー表記をしているロッドはそもそもキャスティング向きではないという理解につなげるべきだという話です。
 それでは、Ex-Fastといったロッドは不要なのでしょうか。ツールがツールとして効果的に使うには人がそれを適切に状況別に使用してあげなければいけません。適切に選択してあげれば、もちろんそのEx-Fastも必要なツールとなり得るのです。それではバス・フィッシングというスタイルはそもそもどういう方法で行っているのか前提を再確認してみましょう。プレゼンテーションとツールの関係性も同時に見ていきます。
 カヴァーをジグで釣るという前提でイラストを見ていきましょう。水深10 feet(約3m)以内のシャローで釣りを基本というのも前提とします。
Flipping Presentation
 当ブログの分類カテゴリーとして存在しているFlippingです。何度か紹介しているようにDee Thomasが1970年代、初めて紙面に掲載されたのが今のところ1974年が最古であるという確認がとれているテクニックです。イラスト的には15 feet(約4.5m)の距離をフリップで釣るためのロッドとして8ftのロッドを使用しています。1974年の統一されていないトーナメントでのルールは7 1/2ftこと7ft6inだったことから未だにそのレングスがフリッピング・ロッドとして販売されています。そしてverticalでカヴァーの中を釣るという性質上ロッドの上下で探る水深・ゾーンを変えられる、コントロールできるという意味でも最低7ftのレングスを使用します。距離感の最大としてはだいたいロッド・レングスの2倍といったところであると整理しておくと良いでしょう。
 そして、これだけ近い距離で魚のストライクを感じて掛けていくことからロッドのティップには十分なショック・アブソーバーとしての役割が備わっていなければなりません。またカヴァーの奥から魚を引っ張り出さなくてはならないことからロッドにはheavyといった硬さも必要となります。
 魚から見るとカヴァーの奥に潜んだinactive/不活発な餌も食べずに動かないような魚を狙うプレゼンテーションです。
Casting Presentation
 次にキャスティングの釣りです。イラストでは50 feet(約15m)を基本として、ロッド・レングスは6ftを選択しています。そのショート・ロッドを使用する理由としてはカヴァーに対して正確に狙ってキャストする必要があるためです。これをElite Seriesなんかを見てプロ達が7ft前後でやっているからとそのレングスを使用しても、プロ達はショート・ロッドで積み立てた基本があるからそういったロング・ロッドでも応用としての釣りが成立しているわけで、基本を飛ばして応用から学ぼうとしてもなかなか巧くなれないのは当たり前のことです。距離感としては、100ft(約30m)もキャストすると、それはロング・キャストだと思うべきです。
 この場合、先ほどの垂直・鉛直方向に釣っていたのと違い水平方向への動きが増えます。魚から考えてもエッジ側でactive/活発に捕食しているような魚を狙っていくアプローチです。
Pitching Presentation
 Pitching/ピッチングですが、元々はlog distance flippingと呼ばれていたものです。フリッピングでは近づき過ぎで釣りにくかった、またはキャスティングでは遠過ぎて正確に狙えない魚を釣るために歴史的に、時系列としては最後に完成したプレゼンテーションとなります。キャスティングより垂直な方向へルアーを送り届け易くなる利点があります。イラストでは25ft(約7.5m)の距離の釣りとなり、離れても30ft(約9m)までのプレゼンテーションとなります。
 垂直方向での釣りのコントロールが重要となることからロッド・レングスは少し長めとなり6ft6inやイラスト中のように7ftを使用することになります。
 魚から考えるとneutral/ニュートラル、どちらつかずの普通の状態での魚を狙っていくプレゼンテーションです。

 先の動画内で、キャスティングには十分なティップが必要であると述べられていました。そしてフリッピングは別の意味でショック・アブソーバーとしての十分なティップが必要だと述べました。しかし、ピッチングでは垂直方向へのプレゼンテーションが重要視されますが、キャストした距離があることからライン・スラック、ラインの弛みが生まれることからティップが無くても成立するという違いが出てくるのです。これが先に言った最近よくあるex-fast taperの必要性の正体です。
 根本的にロッドというのはそういったツールとして、プレゼンテーションごとに求められる要素が変わってくるのです。よくバス・フィッシングをよく知らない人向けに道具を多量に揃える理由をゴルフクラブと似ていると形容することがありますが、詳細を説明するとこのようになるわけです。それぞれの状況によって必要とされる要素が異なってくるわけです。もちろん先に言うようにキャスティングの正確性などを人側の技術的に補うことも可能ですが、やはり最初はツール側の性能、要素を使い切った中で基本を学ぶのが後の応用につながる、上達の近道となるというのはたぶん誰にとっても経験から理解できることだと考えられます。無理に応用から入っても、難しくて辞めてしまうという悲しい事態を引き起こすだけです。それではレジャーとして釣りを普及させたいと願う者たちからすれば本末転倒です。

 大事なことなので言っておかなければならないことがあるとすれば、釣りは文化が違ったとしても基本的にボートから発展するものですが、岸から釣りをするときを考えたとしてもロング・ロッドに絶対的な利点があるとは決して言えないということです。足下を垂直方向にルアーをプレゼンテーションするならばロング・ロッドにも利点はありますが、キャスティングするならば基本はあくまで正確性を求めることにあります。従って、基本を積み立てずにロング・ロッドでキャスティングのプレゼンテーションし続けたとしても狙ったスポットへキャストできないのはもちろん、いつまでたっても想定したスポットに居る狙おうとする魚を絞ることもできません。使う言葉が違うにしても、ロング・ロッドを使用して闇雲にロング・キャストし続けることをロング・ロッドの利点だと言っている連中がプロを自称しているという偏見があります。闇雲にキャストし続ければいつかは釣れるでしょうが、それでは宝くじを当てるようなもので、釣りの奥深い本来の楽しみではありません。ライトリグを使用する病を患った人々というは、結局釣りは釣果があれば良いと考えており、その原因として闇雲にしていればいずれ釣れると考えているところにあるのではないかと何度か当ブログで主張してきたことです。従ってそういった連中が本当に釣りが好きなわけではないと言わせるわけです。そして闇雲にやっていた人がふと気がついてボートに乗った瞬間、今までいかに何も考えていなかったのか、オカッパリキングを目指していることの知的水準や知的好奇心の低さに気がつくわけです。

 今回の件から学ぶことといえば、釣りは魚から考えてツールを組み立てる必要がありますからもちろん状況別に様々な道具が必要に見えますが、実はイラストの3種類のロッドを揃えてやれば良いと整理することができるということです。例えば、キャスティング用に5ft6inや6ftのトップウォーター、ジャークベイト、ジグ&ワームに使用するfast taperとクランクベイト、スピナーベイトに使用するmoderateの2本、フリッピング用に7ft6in Heavyを1本、必要ならばピッチング用7ft Medium Heavyが1本と4本あれば基本の釣りを積み立てられるということです。そこから応用として、自分の好みや必要性に応じて枝葉となるロッドを増やしていけば良いということです。
 これも近道に見えて近道ではありませんし、そもそも近道なんて存在しません。全て自分の技量的な問題となりますから、基本を地道に積み立てていく他にないのです。しかし、このイラストの3種のアプローチを一通り試してみれば、得意、不得意といった好みが出てくるのは間違いありません。これも大事なことなので何度でも言いますが、正解があるわけではありませんからあくまで効率的に、合理的に積み立てるならばという前提での参考になれば良いという話です。

 釣りの話というのは、基本的にこういった明確な結論がなく、こういったいくつかの考え方があるという提示から後は皆さんが考えてくださいというゼミ形式になるのが普通です。そして、その自分自身の考え方を紹介するのが現代はブログというツールなわけです。しかし、この基本も知らない、コンテンツをつくれない、何も考えていないことが露呈するブロガーが増え過ぎという偏見があります。コメントに伺える明確でインスタントな正解を欲しがる傾向もいかに何も考えていないのかという証拠です。中には読者にそのインスタントな正解を求めようとするブロガーまでいる始末です。ロング・ロッドの利点を闇雲にロング・キャストできることとメディアを問わず言い放っている声の大きな連中もそういった一派だと考えています。魚から釣りを組み立てるのが全ての釣りの基本なわけですが、それができていれば岸から釣るときにあるロング・ロッドの利点など大して存在しないことぐらい考えればわかることです。結局のところ、考えないから肩書きやら謳い文句に騙されるわけです。考えてもわからないときは、考えるために必要な情報が足りていないのです。
 ここまで読むと、考えるために必要な情報が基本的にブログにあるはずがないということも理解しなければならないという事態になるというシニカルな結論を明示しておこうと思います。あくまでソース、情報収集の参考にしかなりません。それがいつもソースを示す理由です。



Reference

p.268

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There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
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