例えばその土地には、川が流れ肥沃な土地が広がっているとすれば、その土地は人に対して住みよい土地であることをアフォードしている。アフォーダンスという概念はその環境がもっているアプリオリな性質の中から知覚者が恣意的に発見し、獲得する構図を表すが、ならば今の世界は人にいかなるアフォードをしているのだろうか。

 随分前に当ブログではない場所で当著者がTule Dippingの話題に乗っかったというか、日本人はほとんど誰も知らない歴史について軽く言及したことがあります。なぜ知っていたのかと言われれば、Flippingについて調べようとしたことがあるためです。それもDee Thomasから始まるOriginalについて調べようとしたときに出てきた語彙がTule Dippingでした。
 そしてWEB上でFlippingについて探す一環として、Gary Kleinがデザインしたjigを探していたときに偶然見つけたのがBass Fishing ArchivesというWEBサイトでした。もちろんGary KleinもFlippingのオリジナルに近い人物です。Dee Thomasが現役だった当時にバックシートで唯一釣り勝ったのがGary Kleinという歴史があるためです。

http://bassfishingarchives.com/features/new-western-technique-controlled-structure-fishing-sure-to-sweep-the-country-1#more-185
 さて該当の記事のリンク先にあるのは歴史的に非常に価値のある資料です。当著者もそれらしき書籍を買い漁って釣りに関する書籍・洋書のbibliomaniaを自称しても良いのではないかという量になり始めています。しかし、当時の口述、オーラルヒストリーとなるとやはり雑誌という媒体に残ってしまいます。何が言いたいのかというと雑誌ほど後から収集が困難になる資料はないのです。ハードカバーは古書店に残る可能性が極めて高く、次いでペーパーバックも残る可能性の高いものです。ここで初版がどうこう言うのであればあなたは間違いなくbibliomaniaの一員です。閑話休題、雑誌はどうしても捨てられてしまったりする可能性が高く、学術研究の分野におけるものでない限り、その価値に気がついて残されていることが少ないのです。そんな中でこのサイトを運営しているTerry氏がこういった資料をその詳細から紹介してくれています。個人的に連絡を取り合ったこともありますが、非常に面白いというか興味深い、賢明な人です。日本の編集者もこうだったらどれだけ世界が変わったことかとため息が出るぐらいの聡明さを持ち合わせています。

 さて、そのFlippingについてですが、Terry氏曰くFlippingについて、このページが最初に記されたものではないだろうかということです。そして、名称もFlippin'ではなく“Controlled Structure Fishing”と呼んでいるところにも注目したいところです。雑誌の1ページの中身を読めば理解できることですが、ロング・キャストではルアーを有効に動かせないどころかfishless water,文中ではdead water/魚の居ない水域を釣るという時間の無駄を省いているという点が最も重要なトピックです。言い変えれば、finesse fishingによるshootingやjiggingといったvertical/鉛直方向の釣りと何も変わらないということです。このあたりを体系化できない人が最近の大型スプーンやアイスジグなどを新しいメソッドとか言ってしまうという偏見があります。ついでにこのときDee ThomasとFrank Houckが狙っていた水深は岸際から10ftまでであり、15ftを超えるような水深に居ることは少ないと考えていたという点がシャロー・ウォーターでのFlippingを確立させた要素となっています。
 どうでも良いことかもしれませんが、この時に使用されていたベイトはポリエチレンのウィード・ガードが付いた黒のバックテイル・ジグだったようです。ラバーではなく鹿の尻尾・バックテイルを使っているところがモノがまだ溢れていなかった良き時代を感じさせます。

 そして、あまりに深く言及すると某FVDさんからフォローが来そうな話題ですが、Flippin' Stikのオリジナルについての記録もあります。 Lew's社Hawgerという12ftのロッドを使いティップにラインを結ぶ、またはティップからラインをガイドに通してバットに結ぶ要は延べ竿と竿のレングス分のラインを使用したのがtule dipping,文中の表記ではToolie Dippin'でした。しかし、この文中のWBFAのトーナメントでは7 1/2ftというロッド・レングスに制限があったのです。そこで彼らは計測して持っていたロッドの4 1/2ft分を切って制約内の7 1/2ftにし、Fuji Speed guideを巻いたというインタビューが残っています。さらにそこから無くなったレングス分のラインを手でリールから引き出してフライ・フィッシングのように釣る、つまり現状のフリッピングという動作が完成したことが読み取れます。さらに16ftのボートに乗っていたことから4 1/2ft切ったロッドの方が運搬も快適だったという逸話もあります。
 さらに使用していたリールはAmbassadeur 5000CにラインはTrilene 25lb(標準直径は8号より太い.48mmがthe U.S.規格です。)と今と全く変わらない道具立てです。変わったと言えばリールがergonimically/人間工学的にlow profileモデルになったぐらいです。ラインの例示としてGary KleinはTrilene 100% Fluorocarbonの25lb,当時から変わらない直径のラインを使用しています。

 Terry氏曰くあと3以上のDeeとFlippin'に関する話題があるとコメントに残してくれています。さらに、次回はthe original Fenwick Flippin' Stikについての記事であることを示唆しています。この話題で歴史を織り交ぜながら末永く盛り上がれるのはきっと自分と某あの方ぐらいしか居ませんが、年末ぐらいまで十分に楽しめそうです。
 ついでに、個人的なフリッピング・ロッドの所有率は5/42と12%弱ですが、ボート・フィッシングに持ち込む頻度は100%と、フリッピングがバス・フィッシングの基本だと当著者は考えています。反対に当時のフリッピングを見た開高健氏や西山徹氏はそれは自分たちの釣りではなく、もはや漁師の領域の釣りだと表現したのは興味深い点です。狙ったスポットから魚をどんどん抜き上げるそのスタイルがまさに漁師のそれを彷彿させたのだと考えられます。いずれにしても、Flippin'がbass fishingを変えた、言い変えれば基礎を築いた一端だったのはまぎれもない事実です。

 今回の件から当著者が得るべきことは、Terryさんの飽くなき探究心に敬意を表し、自分もそれに追従するまたは諫言できるぐらいを目指すべきであるということです。読者が得るべきことは、わからないことをわからないままにするのではなく、それを解決できるようになるまで情報収集を欠かすことなく歴史を再認識し、そして集めた情報を体系化するべきであるということです。

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Private comment

No title

ものすごくお久しぶりです。
Dave Gliebe なんかもフリッピングと聞くと思い出しますね。
たしか Dave もバックシートで Dee に勝ってた気がしたんですが…
今の日本ではメーカーのロッドラインナップにも入らないフリッピンロッドですがまだまだ活躍の場が地元ではありますし、純粋に楽しい釣りです。

Re: No title

コメントありがとうございます。お久しぶりです。元気にされていたでしょうか?
http://bassfishingarchives.com/western/1255
 このサイトのこのシリーズは情報収集した後に読み返すほど面白くなります。さてDee Thomasは1976年にBass Master Trailから引退してしまい、Dave Gliebeは1979年に引退しています。しかし、1976 Classicで結局顔合わせすることはなく、Daveが1977-79の3度Classicに出場したことからFlippin'の名をDave Gliebeが勝ち取ったという歴史がありますね。ある意味でFlippin'の代名詞がDave Gliebeでも何の問題もありません。ただオリジナルがDeeにあったということは重要かと思います。

 さて日本製のフリッピング・ロッドはスペックだけなら76Hがいくつかあったと思いますが、製作者がフリッピングをやっていないのが明白なガイドセッティングのものしかないという偏見があります。ラインを引き出さなければいけないのに、リールからバットにある最初のガイドまでが近過ぎる、デザインされているとは決して言えないロッドを見ることができると思います。そんなアフォなロッドを見たら鼻で笑ってあげてください。このあたりも例外があるとすればノリーズ・ロードランナーぐらいではないでしょうか。入手困難ですがヒロナイトウスペシャル・ディープ77あたりもありましたね。
 使うルアー・ベイトが若干変わりますが、カヴァーでないストラクチャーにフリップしていくのも自分の釣りの距離感を再認識するのに良いんですけどねという、カヴァーだらけの釣り場(´・ω・`)ウラヤマシスという羨望を残しておきます。

 またいつでも気軽にコメントしてくださいね。お待ちしております。

あれ?

知らない間にめっちゃ呼ばれてるwww

長い延べ竿でのフリッピングがあまりにも釣れ過ぎて、他の選手からクレーム、結果7・1/2ルールが出来たて話もありましたね(´ω`)


Re: あれ?

コメントありがとうございます。呼びかけに答えてくださって感謝します。
 延べ竿のはフリッピングではなくチューリ・ディッピングなんですが、スキルとしての釣りの精度がそれほど高くない人でもある程度の精度でプレゼンテーションできることから釣れてしまうというのもあったと思います。今も昔も遠投している人たちが10cmの精度で釣りができているはずがありません。もちろんその中でもここに名前の挙がるようなアングラーたちは誰よりも精度が高かったことからトーナメントで上位に入ることができているわけで、現在のフリッピングにもスキルの差による釣果の差が出てしまうのは変わりありません。
 そんなわけで紹介したサイトで今後Fenwick Flippin' Stikの話が出てくると思うので是非とも注目してあげてください。

はじめまして!

はじめまして、遠山と申します。

クランクベイトについて調べていたときにこちらにたどりつきました。

濃い内容に驚きまして、過去ログも閲覧させていただきました。
すると、フィッシングエルモやエルモプロスタッフについて語られていたのでまた驚きました。
私はフィッシングエルモさんの客です(笑)。

日本のしょうもない内容や捏造と疑わしき記事を平気で載せる雑誌などのメディアに嫌気がさし、ルアーフィッシングの本質が知りたいと切に思ってました。

こちらは英語の和訳があり知りたかった事がたくさん載っていて、感激しております。

最近ようやくフローターやボートをやる機会ができて、「陸っぱりはルアーフィッシングにおいて、かなりの制限があるんだな」と痛感しました。


ブログ主様に、お聞きしたいことがたくさんできてしまいました。
質問などさせていただいてもよろしいのでしょうか?


次の更新を楽しみにしております。

では。

Re: はじめまして!

はじめまして。お褒め頂き、そして励ましのコメントありがとうございます。
 最近時間が取れずに質が下がっているようで、無駄話が切り捨てられた分より濃くなったような気がしないでもない当ブログとなっています。基本的にどんな話題であっても引用ありきです。

 直接お会いできれば良いですね。色々と仲良く、情報共有しているエルモさんで自分のことを聞いてくださっても結構です。そうそう秋本番は水温摂氏15度で晩秋は10度という基準は忘れてはならないですね。

 投稿に合わせた質問・コメントであれば過去のものに入れて頂ければ結構ですし、関係性がよくわからないものを最新の投稿にコメントを入れてもらっても当方全く気にしません。メールフォームもありますので、そちらも併用してくださって構いません。
 ただ、たぶんご期待に添える内容が返ってくるかは質問次第かと思います。こちらも資料に限りがありますので悪しからず。最終的にエルモさんのところと全く同じ返答「ルアーなんて何でも良い。」的な結末になるといったところなので、当方でもエルモさんのところで質問されたとしても大差ないといったところです。文字で残す、読み返せるという意味でコメントはまた違った意味を持ちますからメモ代わりに使ってもらえるとより深く釣り、bass fishingを勉強できるかと思いますので存分に利用してあげてください。

 時間に制約をつけないのであれば、あるページのある内容を和訳してほしいなんていう要望があっても参加型で面白いだろうと思っています。

 それでは、こちらこそ末永くよろしくお願いします。
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arb1200

Author:arb1200
There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
Curation which is the definition of my blog.
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