実に嫌な気分だろう。良く分かるよ。人間が、簡単な仕掛けと物質に還元されてしまうのではないかという恐怖。つまり、人間という現象は、本来、虚無に属しているのではないかという疑惑。生命という現象を解き明かそうとした科学も、この恐怖の醸成に一役買う事になった。自然が計算可能だという信念は、人間もまた、単純な機械部品に還元されるという結論を導き出す。

 学のある人たちの経験が詰め込まれた本を読んで、そんな賢い人たちの経験を文字で追体験するという、自ら読むという行動による生の経験は、実際に釣りをして経験を積むのと大して変わらないと当著者は考えています。
 現在進行形で資料にとりあえず目を通す消化作業中ですが、そんな作業中でも付箋を貼り付けておきたいページがいくつも現れます。
 徐々に時代を遡り、いずれclassic/古典に辿り着く作業もしています。最近エントリー内でもその1冊を紹介しましたが、必要とされるであろう資料がいくつも見つかっている状態です。勿論、何度も書籍を資料として読んできて必要とされる資料を探り当てるsixth sense/勘は、それをしてこなかった人たちより優れているという自負がないわけではありません。それでも数多く探るとそのうち外れに出会うこともあります。
 ついでにバス・フィッシングに限った話であれば、古典に辿り着くのはそれほど難しいことではありません。もちろん言語、文化、文学などといった教養があることが前提です。それを捨ててしまったり、辞めてしまった人は教養を持ち直すことが最初の大きな壁となるのは間違いありません。

 さてそんな中で出会った1節です。当時居たアングラーたちにインタビューして蓄積されていく経験の中で見出された言葉です。
"A driving curiosity impels them to read, talk and experiment endlessly in their efforts to master the art. For them, bass fishing is a way of life."
「溢れる好奇心は読む、話す、経験という終わりのない行動を駆り立て、その努力は技芸を習得させることにつながるでしょう。彼らにとって、バス・フィッシングは生き方なのです。」
 当ブログではことあるごとに何度も現れる語彙"art"です。大事なことなので何度でも言いますが、「芸術」と訳すのはあまりにも芸がありません。結局ヒポクラテスが「人生は短く、技芸は長い」と言ったことに始まります。その技芸を意味するのが""τεχνη"(テクネー)なのですがこれを英語訳すると"art"となることから言語の歴史やヒポクラテスのそれを知っていなければ誤訳してしまうということなのです。語感としては"technique"「テクニック」と言えばわかりやすいかと思われます。つまり"art"は「技術、実学」のことを意味するのです。"Art"を「芸術」と訳すのは誤訳です。大事なことなので何度も言っています。


 当ブログは読者にとってみれば「読む」ことが提供される場であるわけですが、著者側からするとほとんどの場合ついてこれない話題を中心とすることから一方通行でtalkとは言い難いですが「話す」場となります。そしてそれらを踏まえた上で実際に釣りに行けば「経験」になるわけですから、正しい態度と指標を披露しているという自負にもつながります。ついでに当ブログに求める"talk"というのは、ブレインストーミングとして間違っていても良いから様々なアイディアを出していくことにあります。もちろんわかっていることで間違っていることは間違っていると指摘しますが、根拠というソースなしにそのようなことは言ったことはないつもりです。
 そしてart/実学と当ブログの机上の空論が対立するかのように見る人がいるかもしれません。そもそも当著者は机上の空論ではなく、仮説だと考えています。仮説を立てた上での実験・実際に釣行するという「魚に聞いてみなければわからないのなら魚に聞けばいいじゃん」方式ですから、仮説はいずれ実験結果によって証明されることになるから実学だと考えているわけです。もちろん実験と言う名の釣行をしなければ机上の空論かもしれませんが、実際に釣り場で釣行してみて実験しましょうということを推奨しているのだからそれはお門違いだということです。それこそ「魚に聞いてみなければわからない」で済ませて、諦めている人の方が空論好きではないのでしょうか。あくまで「釣り」は魚ありきで、魚から考えなければならないですし、また「釣り」を科学的に、論理的にしていくことが可能だという主張です。

 さて「釣りを学問する。」というのは結局そういうところに行き着くわけですが、今回紹介した書籍は以前紹介したこの紹介した書籍に参考書籍として掲載されていたものです。これが資料集めの手法として通称「芋づる式」と呼ばれるものです。こうやって1冊読んでみて、その概念が元々どこからきているのかというオリジナルを求めることによって「学問」というのは広がっていくのです。そしてたったの1節でここまで長文が書けるわけですから、"Art is long, life is short."や今回紹介した1節"A driving curiosity impels them to read, talk and experiment endlessly in their efforts to master the art. For them, bass fishing is a way of life."というのは本当に的を射ています。
 日本ショーモナイ連中に飽き飽きしているのならば、書籍という資料から学ぶという紹介した手法を通して、この水準でバス・フィッシングを学問して、考えて欲しいところです。

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There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
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