Truth has always a sure bottom

 この時期恒例のプリスポーンの大合唱が始まろうとしています。本来ラージマウスにおけるpre-spawnからspawnと呼ばれる魚の状態は捕食活動を止めてしまう状態のことを言うわけで、暖かくなったことで捕食活動を始めて釣りやすくなった魚のことをプリスポーンと呼んではいけません。正確に定義するならば"pre pre-spawn"とでも言うべき状態をプリスポーンと呼んでいる人たちが多過ぎます。あくまで産卵・スポーニングの雰囲気が見えてきたという表現が正しい場合が非常に多いということです。そんな魚の生態に精通しない人々ほど「あの特定のルアーが釣れる」といった非常にドーデモイイことしか言わないという事実があります。
 驚くべきことに、largemouthのfemaleがnestをつくるなどという、何十年もかけて培われてきた科学、生物学によって解き明かされた事実を覆すような発言を情報媒体でバラ撒いた連中がいるのです。ミーハーなドーデモイイことしか言わない連中と同じ分類に属する連中が支持する内容であることは間違いないでしょう。それではなぜそこまで自信を持ってmaleがnestをつくると言い切れるのかと言えば、博士号、PhDのtitleをもつ人たちの論文がその証拠です。
 しかし、そういったオスとメスが産卵期にどういった行動をとるのか個人で分析する前に「ちょっと待て」とツッコミを入れるべきでしょう。そもそも
「ラージマウスのオスとメスをどうやって分類しているの?」
という質問にオスだメスだと断言する彼らは一体何を答えるのでしょうか。ラージマウスにおいて見た目から雌雄を見分けることは生物学者でも困難です。「解剖しなければ正確にはわからない」と言われます。「尾びれが切れているからオス」とか「太っているからメス」とかそんな非科学的な分類をしてはいないでしょうか。科学的な話をしてみれば、「染色体異常」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ヒトの場合、医学ではダウン症など胎児の染色体異常を検査する方法が確立されて、大きな議論になっていることぐらい聞いたことがあるのではないでしょうか。ヒトの性染色体はXとYの雄ヘテロ型・XY型と呼ばれXXとXYの組み合わせとなります。しかし世の中には、数的異常というトリソミー、テトラソミー、ペンタソミーといった染色体の過剰で、XXX,XXY,XYY,XYYY,XXXXXなど染色体異常を持った人が存在します。通常は3以上の染色体は不活性化されるため何の問題も起こらないこともあります。どうしてこのような話をしたのかと言えば、この視点を持っていれば、生物の雌雄を分類するということが簡単ではないと理解しなければならないのです。さらに、あくまでこのような事例は例外として捉えるべきであって、minority/少数派を差別しろなどという意味では決してありませんが、定義、通説としてはいけないということです。大事なことなので何度でも言いますが、メスがネストをつくることは一切ありませんし、もし解剖してネストをつくる個体が例えメスであったとしても例外として取り扱うべきものであり、それを通説としてはいけないという意味です。これが科学のルールです。例外が起きることにより例外を研究することもありますが、あくまで通説から外れていることが前提となっているということです。

 それではなぜメスだと思われる個体の尾びれが切れているのかと言われれば、Glen Lauによる映像作品"Bigmouth Forever"で見ることができますが、メスは卵をほぐすためなのか木に腹をこすりつけたり、ぶつけるといった行動をとることが記録されています。従って、何か木であったり砂であったり砂利であったりと、何かと尾びれをぶつけやすく欠損しやすい時期なわけです。その映像作品"Bigmouth Forever"はイマエカツタカとかいうのが、自分の映像作品にこの一部を使用したいがために権利を買い取って、日本語字幕版を廃盤にしたという経緯があります。
 情報媒体でろくなことしかバラ撒かない連中の底が知れるという、今季の産卵期に関する迷信でした。




もちろん科学に理解のある人しか読めない代物です。


 ついでに、確率論的にオスかメスかどちらか断言しておけば50%の確率で正解なわけですから、じゃんけんで最初の1手にて勝つより確率が高いことは間違いありません。琵琶湖でガイドをやっているなども含めて科学を蔑ろにする連中に「どうやってラージマウスの雌雄を見分けるのか?」と根掘り葉掘り聞いてみれば、きっとこの確率論的手法にぶち当たるという偏見があります。

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No title

素朴な疑問なんですが、雄が相手の雌の身体の大きさもわからないのにどうやって巣を掘るんですか?
教えて下さい。

Re: No title

はじめまして。コメントありがとうございます。
 質問の意図が図りかねますが、たぶん色々な専門用語にあてられて根本的な前提を勘違いなさっていることがあると思われます。まず誤用ではないのですが語彙の問題として、英語圏での魚類学の用語として産卵する産卵床のことを"nest"と言います。それは鳥類のような"nest"「巣」とは全く別のものです。そういった意味で日本では敢えて「ベッド」と言う語彙を使用したりします。
 それとオスが尾びれではたく程度なので、「掘る」という言葉ほど深くは掘れないと思って頂いて結構です。語感の問題ですが、質問されている個体の大きさという本題からしてこのあたりを勘違いされているように感じます。そしてオスは産卵された卵に日光が遮られるようなゴミがかぶったりしないように尾びれではたいたり、周囲を泳ぎ回ったりし、他の捕食者に卵を食されないように産卵床ことネストを守ります。その過程で産卵床の付近は水面から見てもはっきりとわかるような丸いスポットとなり、卵から稚魚になるまでオスはそういった行動を繰り返しますから産卵床をつくった当初より若干大きくなることがあります。ブルーギルなどはオスとメスでぐるぐると産卵床を囲うように回遊するために産卵床のサイズの変化が割と顕著に出たりします。ラージマウスの場合、卵が孵化するまで、メスが産卵床を守ることはしません。
 そしてメスが産卵する卵は魚の個体重量1 poundあたり2,000から7,000個です。引用ソースによって微妙な数値の差こそあれど1シーズンで、複数回産卵する個体もいることから2,000から40,000個ぐらいになります。卵の大きさはそれこそ1-2mm程度ですから、それに満遍なく日光が当たり水温が上がることで孵化が促されますから、オスがある程度子孫を残せるように守れる範囲が産卵床の大きさとなります。逆に言えば、守りきれずに捕食されてしまう数の方が多く、実質守りきれる範囲は産卵床全てとはいきません。
 すなわち質問に返答するならば、メスのbody sizeやweightがオスが作成する産卵床の大きさを決定する要因とはならないと考えてもらうべきだと思います。
 先に述べたように魚類の"nest"が昆虫、カメ、ウサギや鳥類の"nest"「巣」とは別物であることを忘れてはいけないという一言に尽きるように思います。
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