You can't eat your cake and have it, too

 己に発展を求めるならば、何でも新しいことを試してみるということは、釣りにおいても大事なことです。しかし、釣りにおいて新しいことを試すことはすぐに結果・釣果がもたらされると勘違いされているのではないかという偏見があります。例えば「何としてでも1尾釣りたいから、餌を使う」というのは理由が明快です。同様に日本に蔓延る「ライトリグ信仰」というのも理由は「何としてでも1尾釣りたいから」というところに行き着くはずです。ここで疑問となるのは、「新しいこと=手間のかからない、即席な結果が得られる」という真っ赤な嘘で塗り固められた模式図が完成していることです。「何としてでも1尾釣りたい=手間のかからない、即席な結果が得たい」の因果関係は明快ですが、実際のところ「新しいこと⊄何としてでも1尾釣りたい=手間のかからない、即席な結果が得られる」と新しいことが必ずしも即席の結果をもたらしてくれるのではないと考えるべきだということです。何が言いたいのかというと、新しい手法を用いて結果を出すまでにはコスト・時間がかかるのが普通だということです。そして新しい手法やモノだから釣れるなんて広告に最初に釣られるのは人だということです。

 さて、Cliff Paceについて"Who Is Cliff Pace?"とGary Kleinのインタビューを見てすっかり忘れていた記事を思い出しました。

Complete Understanding with Gary Klein
by Dan O'Sullivan
 我々が知ることがなかったオフシーズンには、Gary Kleinは次のシーズンのために時間をかけて準備しています。もちろん、タックルの準備やボートの調整もありますが、Kleinにとってはもっと多くのことがあります。

 Kleinは闇雲に新しいテクニックや道具を試す人ではありません。彼はしばしば膨大な時間を家族の所有する農場の池にジョン・ボートを出して釣行することに費やし、新しいテクニックを学びます。事実、Kleinはルアーや製品を完全に理解するまで、トーナメントでそのルアーやテクニックを使用することはありません。どのような働きをするのか、荷重にどのような反応をするのか、そして最も重要なのは使っているときにどこに針が掛かかるのか、どのように魚を釣り上げられるのかを理解することです。

以下がその例です。

Great Outdoor Games 2003
ESPN's Great Outdoor Gamesを覚えている人もいるでしょう。彼らは数々のアウトドア・カテゴリーの競技を特集し、その中の一つがバス・フィッシングでした。彼らは 2003年Great Outdoor GamesはNevada州Renoを会場として、Folsam Lakeで開催することを決定しました。

 バス・フィッシング・イベントはチームで行うこととなりKleinのパートナーは長年の友人Shaw Grigsbyでした。試合は2つの有力なパターンがあり、それはトップウォーターとドロップショットでした。彼らは朝にトップウォーターでいくつかの鍵となる魚を釣り、それが止まればスポテッド・バスが集まる水中のハンプを徹底的に釣りました。

 Kleinは魚を制し、イベントの終わりには、彼とGrigsbyは試合を制していたように見えました。私がわずかに知っていたことは、Kleinがそれを試合で初めて使ったということでした。そのテクニックに不慣れであったのではありません。全く逆に、彼は全てのニュアンス・微妙な差異まで知っていました。なぜならKleinは私にインタビューでこのイベントについて、何時間も費やしてテクニックを完全なものにして、それを彼が完全に理解するまで成熟したときにトーナメントの武器として使用すると教えてくれたのです。

 「私が釣りをしているとき、全てのことを理解することができるようになりたいと思っています。」と彼は言います。「それがルアーであってもロッド・アクションであっても、私がそれを使っている全ての瞬間にどうなるのか、どう反応するのか、そしてどのように私のボートに魚をもたらしてくれるのかを知りたいのです。」

Offseason Test Tanks
 KleinはTexas州Weatherfordの彼の家の近くにいくつかの農業用ため池を親族の土地に持っていて、「無造作に放たれたバスで溢れている」と彼は言います。彼はルアーと道具のテストを行うまでまで1年以上釣りをしていない池を所有しています。彼はそれらを「テスト・タンク」として彼の所有するBossというカスタム・ルアー・ビルディング・サイトの事業のルアーを試すために使用します。そして最新のテストの中にはQuantumのTactical Seriesロッドもあります。

 「私はそれらの性能を試す場所が必要です。」と彼は言います。「私ぶはロッドが荷重をかけたときにどのように反応するのか調査する必要がありますし、何尾の魚を針に掛けたのか数えなくてはなりません。そして特定のルアーやテクニックで何尾のバスを釣り上げることができたのか知らなくてはいけません。それらの池はこれらのことを解決できる場所なのです。」

 彼は同様に、競技から離れる冬の長い空白の後の勘を取り戻す方法でもあると言います。"We get rusty,/私たちは鈍ります・下手になります。"と彼は言います。「私がしばらく釣りをしなければどうなるか言うことができます。私のキャストは正確ではなくなり、ルアーを感じられなかったり、バイトがあっても瞬時に鋭いフッキングができなくなります。従ってそれを戻すために調整して、確認するのです。」

Testing and Learning
 先日、Kleinは7'10" Quantum Tacticalロッドを使って彼の持っているものと彼のチームメートの持っているロッドで比較を行ったと言いました。「私は実際に性能を試してみました。私は余分な負荷のテストでフリッピング、ピッチング、キャスティングを行ってどのように感じるのか知りたかったためです。」

 彼はこの一連のテストからQuantumのエンジニアに評価を伝えました。「私はブランクとアクションを非常に気に入っています。しかし、私はそれを我々が目的とした本来のデザインでは使わないでしょう。」と彼はフリッピング・ロッドだと予想されるロッドについて言い、しかしそれはディープでのフットボール・ジグの釣りに適したロッドであると言いました。

 「私のフリップの方法は、左の手の平でロッドを持ちラインを親指と人差し指の間に通すことから、フォアグリップを必要とします。」ち彼は言います。「私はバイトをより瞬間的に感じることができますし、必要だと考える速さで反応することができます。」

 彼は同様にルアーについても多くのことを学ぶことを好みますが、彼のトーナメントの武器に入れることには気が進みません。例えばvibrating jigがあります。彼のこのルアーでの最初の経験は、Sam Raybumのトーナメントで10 poundsを超えるバスと他にも9 pound超える魚を連続したキャストで失ったことでした。そして彼はベイトについての完全な把握なくしてのそういった失敗をしたくないのです。

 「今でも、ほとんどのbladed vibrating jigを試していますが、成功率は約70%という結果が出ています。」と彼は言います。「これはいくらかの人々にとっては申し分ないでしょうが、私はこれに満足できません。私が求めるのはより高い数字を生むことで、それは90か95%です。私はいくつかの微調整をして試して、結果は向上しています。しかし私が求めるものにはまだ達していません。」

Stay Fresh
 彼のアプローチにおける他の側面の利点は、彼が既成概念にとらわれずに物事を考えることです。「私はトーナメントのときに本当にこれができません。なぜなら時間によるプレッシャーが生まれるからです。つまり、私は知っていることしか行わず、イベントの間に新しい手法・実験していないのです。もし私が試したり実験する時間を見つけられなければ、競争相手たちは私より良い結果を出すでしょう。」と彼は言います。

 彼はいくつかのtricks/技が水上で違いを生むことを学んだと言います。例えば、スクエアビルにウェイトを乗せてカスタマイズすることで、違ったリトリーブを採用することがツアーで違いを生むといったことです。彼はこれが自身をより良く、より完全なアングラーにすると言い、そして他のアングラーたちもこのようなことができる得意な何かを見つけることを提案します。

 「私はテスト・タンクで違った方法を使いそれぞれのことに対して立ち止まって分析することができます。私の費やす毎分が私をより完璧に、より優れた理解のあるアングラーにします。そしてもし他のアングラーたちが彼ら自身で方法を編み出したとしたら、彼らがどのぐらい良くなってしまうかわかりません。」





Reference
http://archive.advancedangler.com/featurearticle.asp?Selectvalue=Complete%20Understanding%20with%20Gary%20Klein


 どれだけ多くの人たちがこの努力を怠って消えていったことでしょうか。そして、今現在ショーモナイことに気をとられて、いつまでもショーモナイことを言い続けて自分を見つめ直せていないのでしょうか。こういったことを懇切丁寧に教えてくれることからGary Kleinからも目が離せません。未だにElite Seriesに参戦し続けていられるということは、こういうことだと生き字引として教えてくれるのです。
 そして大切なこととして、自分なりの方法を編み出すという、自ら行動する意図をなくして成功はないということも教えてくれています。最初は真似からでも良いかもしれません。しかし、そこからより優れたアングラーになりたいと考えたとき、真似するにも足りないことがたくさん出てくるはずです。そこで立ち止まらずに自ら行動することが大切だということです。

 さてこの記事に注目したのは割とどうでもいい話題からでした。Gary Kleinがどうして彼のデザインしたロッドに"parabolic"を捨ててしまったのかという疑問がありました。
 動画内でも"parabolic"の重要性を説いています。上記のようにこだわりを持たないはずがない彼がどうしてTactical SeriesのSignature modelで、さらにFlippin' rodなのに"x-Fast[Extra Fast]"なんていうテーパーというかアクションを選んだのかさっぱり理解できなかったのです。逆にGreg Hackneyのモデルが"x-Fast"からparabolicと同義の"Moderate"に変更されていたわけです。何かフッキングが遅くなったなど体力的な衰えを感じ始めているのだろうかといった憶測をしていたのですが、文中にもあるように本人的にはフットボール・ジグ用のロッドというのが結論でした。つまり、セールスの戦略的にHackney Signatureと用途が重なってしまうことを避けたわけです。実際Quantum Tour EditionのSignature Seriesは、Kleinは"Moderate"のフリッピング・ロッド、Hackneyは"x-Fast"でキャスティングなどで距離を離したジグ&ワーム・ロッドです。この場合、間違いなく前者がFlippin' rodとしては本物ですが、日本では確実に後者の方を手にしてフリップしている人たちが大勢いるという偏見があります。結局、日本では誰もKleinのようにsuccess rateなんて具体的な数字を出しませんというか考えたこともないから出せないという有り様で、間違っていても誰も気がつかないし、崇拝する人の道具の(見た目ではない本当の意味での)デザインが間違っているなんて思いもしないということです。
 個人的に道具のこういった細かいデザインを非常に気にして釣りをしているので、Gary Kleinがなぜそうしたのか疑問であったことから、晴れて答えが見つかって良かったということです。しかし、違いのワカラナイ人たちがTacticalのそれをフリップロッドとして最高って言ってそうだという偏見は拭えません。

 尊敬できるアングラーたちというのは上記のようなことを平然と言う人たちであると考えていますが、この尺度を使用してあなたは尊敬できるアングラーを挙げることができるでしょうか。当著者はこれを書いたDan O'SullivanもさることながらLouie Stout, Dick Stanberg, Terry Battisti, 2007年に飛行機事故で亡くなられていますがTim Tuckerなどライターの名前も挙げることとなるでしょう。書いている人たちも様々な知識、経験、そして発見を記事にしているわけですから尊敬できるアングラーたちであると言えるわけです。

 閑話休題、「新しいこと」が「手間のかからない釣果」を生むなんてことは一切ありません。むしろ逆で「新しいこと」を習得するにはより多くのコスト・時間を費やすということなのです。しかし、そのコストは無駄ではなく己を磨くために必要なものです。つまり何が言いたいかというと、己を見つめ直すことに諦めてしまった人たち、向上心のない人たちほど新しいもの好きにさせなければならない現状が歪だということと、そんな人たちほど釣りを「新しいこと」で難しくさせて離れさせるような商売方法を採用しているのって非合理的だということです。噛み砕いて言えば、このバス釣り業界っていうのは馬鹿の集まりになっているというユーザへの警鐘と業界への提言です。

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あぁ~(´-ω-`)

そーいう事だったんすね!(・∀・*)

あざっす♪

Re: あぁ~(´-ω-`)

毎度コメントありがとうございます。
 FVDさん専用の細か過ぎるメッセージをちゃんと受け取って頂けたようで何よりです。しかし、そうなるとフォアグリップ採用のGary Klein Signature "TRUE" Flippin' rodが欲しくなるというのがGary Kleinを深く尊敬している自分の要望です。ただ、先に述べる現状の景気やセールス的に難しいというのがあるんですけどね(´・ω・`)
 そうは言うものの、8ft前後を1日中、思いっきりフッキングを決める動作も含めて使うと自分がいかに体力的なdisadvantage/不利・不都合を抱えているか理解できますから、7ft半ぐらいが限界かもしれませんね。今時フォアグリップありの7ft半なんてFalconのLFC-6-276TやBass Pro Shops Tourney 7'6"ぐらいしか残っていませんけどね。BPS Extremeの7'6"は件と同じフットボール・ジグ用ですね。
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There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
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