Haste makes waste

 ロッド・レングスについて、キャスティングの精度もないのに、なぜロング・ロッドを使いたがるのか意味がわからないと普段から申し上げているわけですが、そんなロング・ロッドを使用するユーザであればあるほどその利点を明確に、明白に、科学的に説明できる人なんて存在しないという偏見があります。
http://bassblaster.bassgold.com/science-clarifying-the-advantages-of-long-rods
 リンク先のイラストを見ても理解できないとしたら、小学校の理科と中学の数学の計算式という基礎知識さえ記憶できていないということです。
 その方程式と問題は探せば以下のリンクのようなものがいくらでも探せます。
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/math/nhirei2.htm

 さて最初のリンク先が典型的な手法を使用しているので紹介しておこうと思います。
 まず、タイトルが"Clarifying the Advantages of Long Rods",「ロング・ロッドの利点についての解明」となっています。
 最初の一文が当ブログと全く同じような手法を用いて「ロング・ロッドの利点」が語られることに対しての個人的不満が述べられています。

 カタログや記事を読んだり、プロ・アングラーのインタビューを聞けば、彼らが最初に言う7'以上のロッドの利点は、より大きなleverage/てこの作用・力が得られることだと言います。
 しかし、必ずしもそうではありません。

 ここからてこの原理について、イラスト付きで解説しています。つまり、ロング・ロッドほどアングラー側がmore effort/より大きな力を加えなければleverageが得られないということを説明しているわけです。言い方を変えると、ロング・ロッドほどアングラー側に、アングラーの腕にトルクという負担がかかるということです。
http://www.enchantedlearning.com/physics/machines/Levers.shtml
 ついでに"class 3 lever"というのはこのリンク先の"Type 3 lever",「第3種てこ」のことです。動くイラスト付きのためよく理解できると思われます。余談ですが、知っていることを英語で読むと以外とすんなり読めたりします。

 これはソルト・ウォーター・アングラーたちが、巨大魚と格闘し海底から引き上げてくるために、5'以下の短いstand-upロッドを使用するのと同じ原理です。そこに大きなleverageが生まれるためです。再び問題提起してみましょう。もし[ショート・ロッドに]more leverageがないとしたら、なぜそれらを使用するのでしょうか?

 例題を用いてショート・ロッドの利点を説いています。

 しかし、引き上げるためにより大きな力が必要ですが、第3種てこはload/作用点を移動させる速度を上げるために役立ちます。ただし、その能力を得るためには力の犠牲が出ます。ロング・ロッドはロング・キャストすることができます。ロング・ロッドはより多くのラインを動かすことができることからフッキングを素早く行えます。より多くのラインを素早く動かせるということは、あなたが魚に圧力をかけ続けられるということです。ロング・ロッドは、あなたのフィッシング・ラインにかかる力をその長さと多くのガイドにより緩和することができることからラインが切れることを減らします。もちろん、より多くのラインを動かせるということは、魚をより長い距離で移動させることができるということです。ただし、短いロッドを使ったときよりも、より大きな力をあなたが与えなければなりません。

 このように非常にわかりやすい逆説、ショート・ロッドの方が有利であることを説明することで「ロング・ロッドの利点」を明白にしています。このように日本で利点を語るときにはどちらかを勝者にしなければ気が済まないのか、このような巧みな逆説による比較論から利点を明確にすることはほとんどありません。書き手側の工夫の一つですが、読む側もこれらの手法を覚えておくと理解しやすくなるかもしれません。
 いずれにしても結論はどちらかが必要で不要とかいった勝者と敗者の視点ではありません。あくまで両方がツールとして必要であるということです。




References
http://bassblaster.bassgold.com/science-clarifying-the-advantages-of-long-rods
http://fishingelmo.blog.ocn.ne.jp/americanlure/2012/12/post_8d95-1.html

p.195

 このようにロング・ロッドの利点を明白にしているわけですが、ショート・ロッドほどフッキングを正しく行わなければならないということが理解できます。これはロング・ロッドで自分のスキル不足を見て見ぬ振りしている人たちが世間にはたくさん存在しているという偏見を生む素材であるということです。
 そしてロッドの長さによってラインを動かせる距離が変わるという理解は、どんなルアーを使用しているにしてもロッドのストロークでリトリーブした際にどれだけ移動したのか把握しておく必要性があるという基準づくりになくてはならないものです。つまり何が言いたいのかというと、ロング・ロッドを使用してロッド・ストロークでルアーを動かしているものの、狙っているスポットからルアーを簡単に外してしまっているにも関わらず、ピックアップもせずに延々と釣り続けてしまう態度の人たちで溢れかえっているという偏見があるということです。ロング・ロッドを使用すればするほど、わずかにロッドでルアーを引っ張っただけでライン・テンションと相まって軽く1m以上動いてしまうということです。ボトムに何かあるのか探す作業中であれば良いですが、魚の居場所が絞れないロッド・ストロークでのリトリーブなど意味がないということです。
 逆に言えば、ショート・ロッドでもきっち釣りができるという人は全てにおいて優れていると言えるわけです。Bill Danceにしても、Kevin VanDamにしても6ft以内といったショート・ロッドを使ってきたアングラーたちのキャストから魚を掛けて取り込むまでの一連の動作に無駄がないことを見ても、彼らにはそういった自分のスキル・経験があるのです。今、BassmasterやFLWのプロ連中の流行がロング・ロッドであったとしても、彼らにはそれを扱いきれるだけのショート・ロッドでの経験があるわけです。そのショート・ロッドを使ってこなかった近頃のプロを見れば、さらに日本人を見ても、キャスティングやフッキングが下手なのが一目瞭然です。我々は、"Haste makes waste",焦ったところでスキル、経験が積めるわけではないことをもっとよく考えるべきではないでしょうか。

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今回のロッドレングスの記事を読んで、Kevin VanDam's BASS STRATEGIESの内容を思い出すことができました。
そこで、久しぶりに本を紐解いた訳ですが、基本というか基準がきっちりと書ききってありました。
何となく最近のスランプとまでは言わないけど、すっきりしない原因がわかったような気になりました。
これからも、どんどん情報発信をお願いします!

毎度こめんとありがとうございます

 基本に忠実で素晴らしい本ですよね。身長、体格なんて人それぞれなんだから自分に適切なロッド・レングスが違って当たり前なんてことが、現物が今外に居るので手元にないのですが、書いてあったような気がします。ラインサイズ一つにしても、緻密さが彼の秘密であることが明白で、日本人の方がむしろ雑なぐらいであることがわかります。
 当ブログではそういった書籍をいくつか紹介していますが、話題にならないというか自分のスキルを上げるためのソースとして利用されていないところを見ると、ちゃんと読まれていない、または語学力以前の問題として論理・教養がなくて読めないのだなということを思い知らされます。「本より生の経験の方が」なんて言っちゃう人がまさにそうだという偏見があります
 ご期待に添えるものなんてそうそう無いとは思いますが、ご声援ありがたく受け取らせて頂きます。
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arb1200

Author:arb1200
There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
Curation which is the definition of my blog.
http://twitter.com/#!/arb12001

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