何人か鏡を把りて魔ならざる者ある。魔を照すにあらず、造る也。即ち鏡は、瞥見す可きものなり、熟視す可きものにあらず。

 そもそも多くの人たちにとってブログというのはプレゼンテーションの場であるはずですが、どうしてこう日本のバス釣りのそういった場はプレゼンテーションの場とならないのでしょうか。
 さて、英語でジャーナルを読み慣れた人であれば、もしくは英語でジャーナルを書く訓練を受けた人であれば、別に手法の名前なんか知らなくても自然とそう書いたり、読解の補助に使用する、ある種のルールが存在するという話題を少し述べました。そのルールにわざわざ付けられた大げさな名前があったようなので、紹介しておこうと思います。

 簡単にjournal/日記、記事というのは3つの構成になっています。序文、説明、結論が基本構成で、英文であればほぼ間違いなく序文に結論が書いてあります。
 こういったルールは新聞にも似たような手法が使用されていて、「見出し、リード、本文」と3種類のサイズの文字を使用して見出しはセンセーショナルに白抜き文字を使い、リードには事の概要を制限のある空間の中で伝え、本文には事の詳細が書かれています。新聞なんて一語一句全て読み切るものではないでしょうから、基本的に一面の「見出し」を見て、事の概要が知りたければ「リード」を読めば内容は理解できるはずです。そこからさらに詳細に興味があれば、本文を読み始めるという、新聞にも読み方があるということです。このようにリードだけ読んで、一語一句読まなくともその日1日の大きなニュースを把握できるようにしてあるのです。
 こういったルールがジャーナルにおいても存在するということで、bassmaster.comのジャーナルを読むときに応用できるということです。
 先に手法の名称を記述しておきます。「PREP法」と「SDS法」と言うらしいです。大げさな名前がついています。ビジネスマンを自称したい人たち向けにこういった手法を解説するペラい本が売られているようですが、これってそもそも一般常識として学校で習うことなのですが、どうもそういう自称したい人たちほど見た目だけで中身が伴っていないようです。PREPというのは、「Point=話のポイント、結論、Reason=理由、Example=例、Point=(再び)結論」と頭文字をとったらprepare/準備とかの略称と重なって丁度良かったとかそういうものです。内容は文頭と全く同じことを言っているだけです。SDSとは「Summary, Detail, Summary」の略だそうで「要約、詳細、要約」という表現方法をちょっと変えただけで中身は同じです。このジャーナルはどちらの手法で書かれているとかいう解説をしようものなら、そんな話はドーデモイイにもほどがあるということです。検索すれば、そういうペラい本を欲しがるペラい人向けの解説ページがいくらでもありますから読んで笑いのネタにでもしてください。
 何度も言うようにジャーナルにはこういったルールがあります。大抵、人はタイトルで読むか否かを決定します。次に最初のパラグラフ、手法にあるPだのSだのといった文章を読んで読者側はその中身に興味があるか否かを決定します。興味が無ければ次のタイトルにアクセスすれば良いですし、興味があれば手法のRとE,Dとかいう文面で見れば真ん中に位置するパラグラフを読みます。そして最後に再び結論を再確認させられて内容を理解するわけです。つまり、最初のパラグラフを読んでも興味がない場合や、最初のパラグラフだけでは結論が見えなかったりした場合は、文末のパラグラフを読んで内容だけはしっかり理解しておくことができるということでもあります。個人的には内容に興味がないのが最初からわかっていても読む場合はこのように冒頭と文末のパラグラフで結論として何が言いたいのかを把握するわけです。
 そう考えると当ブログほど人にわざと読ませないように仕掛けていることに気がつくしょうか。繋がるのか繋がらないのか読解力や想像力がないと意味不明なタイトル、そして内容に沿わないように見せかけた文頭・最初のパラグラフといった仕掛けが満載です。それはもう限られた読者しか残っていかない仕組みです。

 例を挙げた方が良いかもしれないので、適当なジャーナルを挙げておきましょう。
http://www.bassmaster.com/blog/weighting-hard-baits
 例えばKVDのこのジャーナルです。タイトルが"VanDam's Tip of the Week ; Weighting hard baits"ですからハード・ベイトにウェイトを追加するというものです。ここで「知ってるから別に読まなくても」など、興味があるか否かで読む読まないが決まります。
 まずPointとかSummaryの部分が最初の1文にあります。"You can alter the performance characteristics of hard baits like jerkbaits and crankbaits by adding weight to them."つまり「ジャークベイトとクランクベイトといったハード・ベイトのパフォーマンスを、ウェイトを追加することで変更することができます。」と結論または要約をしてくれています。そうです、最初の1文ほどそのジャーナルを具現している文と言うことができるのです。基本はそうなのですが、基本があれば応用があるわけでそれは読んだ数だけたくさんの表現方法を見ることにはなりますが、ほとんどの場合は基本に忠実です。
 そして文末の結論を見てみましょう。"However, it's been my experience that a perfectly balanced lure offers more erratic action when it deflects off a piece of cover or when I jerk it."テールダウン姿勢とかノーズアップ姿勢がベイトのアクションを良くするなんて言われているけれどという例を出した後の結論で、「しかし私の経験では、完全に均衡・平衡のとれたルアーが、カヴァーをdeflect/ヒラを打って回避したり、またジャークしたときに、より不規則なアクションを出してくれます。」と述べています。つまり、文頭の最初の1文にあるように変更できる"the performance"についてより詳細な説明を加えて、繰り返し結論を述べているわけです。
 もちろんこれらの結論の間には、Reason,Example,Detailといった詳細が掲載されています。
 詳細については、以前のエントリーで紹介しているので、日本語でも確認できます。

 このようにジャーナルには構成方法があり、その構成方法に従い、読者は自分で読み方を変えるだけで、全文読まなくて済むようになり、遥かに多くの情報を得ることができます。当ブログの読者を自負する皆さんは、当ブログでは全く有効に利用できませんが、英文のジャーナルを読まれるときに意識されると読みやすさに関しても変化が起こるのではないでしょうか。


 ここまでは読者側の視点に立った読み方という結論でした。しかし、日本では書き手に問題が多過ぎます。特にジャーナリスト気取りの連中が書くそれは、こういった構成方法にルールがなく、結論ありきで一方を褒め讃えるためだけの、または一方を貶すためだけの、読むだけ時間の無駄なものがほとんどだという偏見があります。さらには商品を売りたいだけのショーモナイ広告だったりするものですから、タチの悪さで言ったら当ブログを遥かに超えているのではないのかという偏見すらあります。
 つまり何が言いたいのかというと、そういったPREPだのSDSだの言ってペラい本が市場において価値を有するということは、書き手が読者を超えてショーモナイということです。
 例えば、ジャーナリスト気取りの連中というのは、「今、話題の~」などという言葉を使って、商品や会社を宣伝するために生まれたコピーライターに任せておけば良いものを、あたかもそれが自分の仕事かのように宣伝文句を使うような連中のことです。ジャーナリストとか自称している連中に限ってただのコピーライターでジャーナルなんて書いていないということです。
 さらに言えば、そんな肩書きだけの連中を採用する編集長にも問題があるのは言うまでもないことです。本来、編集長が雑誌にどういったトピックを持って、どういった方針で記事を掲載していくかの決定権を持っているわけで、ボツとしたり、弾けるものを弾いていないわけですから、記事の質の低下は避けられないというのは当たり前のことではないのかという提言です。そもそも物書きを取り扱う職種で、誰がやってもカタチは作ることができるという、誰がやってもできる仕事化してしまって良いのでしょうか、くりえいてぃぶから一番離れたところにある仕事にしてしまって良いのでしょうかという提言です。
 つまり何が言いたいのかというと、今の日本の物書きに創造力がなくなっているということです。釣りのエンドユーザ側に創造力も想像力もないというのはすぐに実感できることだとは思いますが、情報を配信する側の「そうぞうりょく」が失われているということです。例えば、書き手ですら、広告そのままの受け売りを書いたり、微妙な差異を示せなかったり、批判することができなくなっているということです。
 本来、エンドユーザ、消費者というのは別にアフォでも問題ないというか、多数派はむしろ「そうぞうりょく」なんて無い方が売る側はありがたいのです。そこで、そういった売る側の態度を批判するために、消費者側の立場にありながら批判するのが物書きという存在ではなかったのかという話です。そしてその物書きは「そうぞうりょく」豊かな人材ではなかったのかという話です。売る側の立場で物を書くのはコピーライターだけで十分で、そんな活動をしている連中は決してジャーナリストではないということです。

 本来、コンテンツのない種の人、そしてコンテンツ運営ができない種の人が、ブログだろうとSNSだろうと使い切れるわけがないという主張を続ける当ブログですが、食べたものを写真撮影し、大した感想も無しに淡々と続けているSNSとかブログとかを目にしたことが少なからずあるのではないでしょうか。まさにそれこそがコンテンツがない種の人、コンテンツ運営できない種の人がやっているものです。つまり、「他人が食べたものなんて何が面白いの?」という疑問を持てない種の人だということです。普通そこでコンテンツ運営のできる人であれば、特殊な言葉を綴った感想を書いたりと工夫します。何か他人とは違う方法を用いることが「それって何が面白いの?」に対するコンテンツ運営のできる人の返答であり、コンテンツそのものだということです。

 このように読者についてもそうですが、書き手側にも様々な問題があるということです。一般的な問題としてこれだけのものが山積しているわけですから、バス釣り業界で考えるともう手遅れなほどに深刻な問題と化してしまっています。批判の一文すら許されず、それも仮説ありきの批判や、誤謬かもしれないことを前提とした批判を「詭弁だ」と言われる、その発言こそが詭弁であることにも気がつかれない小さな小さなショーモナイ世界のことです。批判なんだから批判で返すべきであって、詭弁で返してくるのは勘弁願いたいものです。
 そんなわけで「そろそろ新年の抱負とか語っちゃう時期ですか?」と毎年の批判を掲載しておこうと思います。

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No title

いつも読み応えのある記事をありがとうございます
バスマスターの読み方も大変参考になりました

2013年も、どんどん発信をよろしくお願いします!

Re: No title

あけましておめでとうございます。
そしてコメントありがとうございます。

 消化しきれていない、特定の事項についてまだ理解が浅い話題がブックマークに溜まり続け、話題が尽きることはないのですが、そろそろ誰か釣り師な人が著者となるコンテンツが日本に「もう1つぐらい現れても良いよね。」と言い続けて3年目だったような気がします。

 Bassmasterに限らず、どんな種類でも、例えば一般誌、新聞や論文も同じ形式で書かれています。ついでにこれは英語に限った話ではなく、日本語でも同じ、どの言語でも同じルールが採用されています。そのルールが採用されていないのはjournalではなくnovelとかshort storyなど、そういうジャンルになります。日本には、そういうshort storyジャンルしか書けないくせにジャーナリストとか自称している連中が居るから手に負えませんね。

 2013年は、もし可能であれば、溢れるほどに蓄積された複数の情報をリンクさせつつ、体系化した結論が述べられるものが書ければ良いなという願望だけはあります。
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arb1200

Author:arb1200
There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
Curation which is the definition of my blog.
http://twitter.com/#!/arb12001

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