There are three kinds of men. The one that learns by reading. The few who learn by observation. The rest of them have to pee on the electric fence for themselves.

 タイトルは日本のバス・フィッシングに適応すれば、前者2種の人が0.1:9.9後者だという偏見があります。
 前回の続きにいってみましょう。1度だけの実験結果で必ず仮説が導けるかといえば、結果を最初から知っている実験以外にはあり得ないことです。それこそ基礎を学ぶための手引き、手順を学ぶ、理論を視覚化で学ぶといった積み立てでしかありません。
 前回から使用している出典です。
http://fishwild.vt.edu/afs/AFS_education_fisheries_techniques_visuals.htm

 実験には以下のような2種類の誤解が生まれることがあります。
Two types of error
・Measurement error (measured vs. true)/測定ミス(実験結果 vs. 真実)
・Extrapolation error (accuracy of extrapolation)/仮説の誤解 (仮説の精度)
 1度だけの実験、測定では基本的に仮説を立てるのに十分な情報とは言えませんし、複数回繰り返したとしても常に誤解があるのではないかと正そうとしていく態度が重要になります。
 そこでそれぞれの項目には正していく手順もあります。
To correct
・Measurement error, increase # of measurements/測定ミスは目的の実験方法を増やして視点を追加する。
・Extrapolation error, increase # of sample/仮説を立証するために実験全体のサンプルを増やす。

 これらを繰り返していく中で、科学的根拠に基づく仮説、推論が生まれるのです。それは多くの釣り人が持つ印象や経験とは決して違うものです。つまり、何度か当ブログでDr.のジャーナルを取り上げたことがありますが、それは決して釣り人では発見できない「理論」であると考えるべきだということです。そして、もちろん文化的な視点という科学的な視点から切り替えて見れば、科学的根拠を伴わない釣り人の理論も存在するわけですから、それらをすり合わせていくという作業は結局のところ読者次第となると強く意識しておく必要があることを注意喚起しておこうと思います。
 多くの人たちが「科学的 vs. 文化的」といった視点で捉えがちですが、文化的な中にある科学や科学的な中にある文化を見つけることは、視点を変える態度を持っていれば可能だということです。


 つまり何が言いたいのかというと、ラージマウスを釣ってフィッシュポンプで胃の内容物を調べている人たちが居ますが、それが全くもって無意味だということです。元々釣りにフィッシュポンプを持ち出すのはフライフィッシングです。なぜそのようなことをするかといえば、胃の内容物に合わせて毛針の形態、フライ・パターンを合わせて釣果を伸ばそうとするためです。USAではバス・フィッシングでも"match the hatch"と呼ばれる、食べているものに合わせたベイトを使えば釣果が伸びると考えられるのです。
 別に"match the hatch"という考え方が悪いといった善悪で区別しようとしてはいけません。それは科学が文化を、文化が科学を軽蔑するのと全く同じ行為として慎むべきです。それでは一体、魚の胃の内容物を調べることに関して何が問題なのでしょうか。

 まず最初に、科学的視座から見るためには以下のようなことを知っておかなければなりません。
・Effects of fish size and territoriality/魚のサイズとなわ張り意識の影響
 ーDiets vary with fish size and sex/食事は魚のサイズと性別で多様である。
 ーAs fish grow, they may switch from one prey type to another/魚の成長に従い、捕食対象を変えることがある。
 ーAdult males and females may have different diets/成魚のオスとメスでは食事が違うことがある。
 この基本的な知識がある段階でフィッシュポンプを用いただけでは、魚の食事に関しては何も調べることができないのと同じだということが理解できるでしょうか。つまり、性別によって捕食対象が変われば、性別でサンプルを取らなければならない、魚の性別を調べなければならないということです。
 加えて以下のようなことを考えなければなりません。
Sampling strategies - Differential digestion rates /サンプルの策略 - 消化速度の違い
・Stomach contents may not accurately reflect diet. Why?/胃の内容物は食物を正確に反映していないことがある。なぜか?
・Some prey, eg protozoans, are digested faster with little trace/いくつかの捕食対象、例えば原生生物などは痕跡をわずかにしか残さず素早く消化されるため。

 以上のような知識をもって、胃の内容物を調査して分かることは捕食対象の出現頻度だけです。これによって「1種の捕食対象を頻繁に食べている。」との結論が生まれるわけですが、それを擬人化してその地域に生息しているラージマウスが好んでその1種を食べていると考えるのは曲解だということです。何が言いたいのかというと、まず胃の内容物の情報に際限はありません。科学的に捉えるならば、魚の生息数を考えてサンプルとして何尾調査すれば良いか判断する必要があるということです。ついでに生息数は「個体数推定」で仮説程度に計算可能です。次に胃の内容物として高頻度に出現するからといって魚にとっての栄養学的重要性を示すわけではないということです。加えて、結果は様々な種類の捕食対象が重要であるという意味でもありません。つまり何が言いたいのかというと、魚に好みがあるとすれば、それは捕食行動で使うカロリーに対して捕食して得られるカロリーが圧倒的にプラスになる、カロリーが非常に高い餌だということです。捕食行動を起こして消費するカロリーが捕食した餌のカロリーを超えることは自然界ではあり得ないことです。魚がある1種を多量に食べているからといってそれを好みと言ってしまうのは、魚を擬人化したファンタジーが過ぎるということです。
 さて、ここでもう1度よく考えて欲しいのは、全てのルアーに共通している1つのことです。そう、ルアーの中にバスが食べて栄養になるものは1つもないのです。これがルアーがルアーたる所以です。そんなルアーで魚を釣ることを考えたときに、果たして上記の実験を一個人が行ったデータと(ルアーでの)釣りが一致するのかどうか考えて欲しいということです。

 そして根本的に欠けている視点というのがあります。わざわざバスが食べた消化しかけの顕微鏡を使わないと何だかわからないようなものを調査しなくても、バスが食べそうな餌となる生物を捕獲する方が正確ではないかと考えられないのかということです。
 大げさな仕掛けならこのようなものがあります。ペットボトルを切って少し加工したものは最も低価格で作れるであろう小学生たちでも可能な定番です。
 つまり、フィッシュポンプを使って専門家気取りするよりは、自分が釣りをしている水系にどのような生物が棲息しているのか観察してみようとする方がよほど役立つことがあるということです。結局、都市生活に甘えている人たちの自然環境に対しての観察力が衰えていることが問題だということです。都市生活で文化的な生活をしているからといって科学的な知識があるわけでもない、かといって自然環境を目の前にしたときに目の前に居る動植物に気がつかなかったり変化を見過ごしたり、自然環境を相手にする釣りをしている人たちでさえこの有り様というのは手のつけようがないのではありませんか?ということです。きっと手のつけようのない人ほどこのような仕掛けで小魚やザリガニを捕獲することを馬鹿にするのだという偏見があります。どういうことかというと無造作に仕掛ければ良いというわけではなく、小魚やザリガニといったそれぞれの生物が集まりやすそうな場所に仕掛けなければならないということを見過ごしている、つまり根本的に魚を捕獲するという態度にない、釣りをする態度ではない現状を認識するべきだという意味です。
 バスがそこに生息しているのならばそこにバスの餌となる捕食対象が居ます。そしてその捕食対象にはまた捕食対象が居ます。つまり食物連鎖があるからにはその場所に何かしらの条件があるということです。つまり、バス・フィッシングを見たときに、なぜバスを狙うためにはストラクチャー・フィッシングが基本だと言われるのか、通常釣り人は観察による経験でこれらを文化的に学んだわけですが、今やこれを生理学的に科学で示すことのできるデータも存在しているといった中で、その両方を情報収集の対象とし冷静に分析することが重要だということです。
 いくら情報が溢れて便利になったからといって、その大量の情報から重要なことを取り出すための分析が可能な人は非常に限られているということも認識するべきなのです。せっかく目指すならば"The one that learns by reading. The few who learn by observation."といった前者のどちらかになるべきです。そして何か実験するならば、繰り返し検証するために最低限科学的な手引きや実験手順を確認できるメモなり文書を作成するということが重要です。非常に大事なことなので、最低限文化的で、最低限科学的なラインを毎度のように明示しているわけですが、日本でバス・フィッシングが最低限文化的になることができる日は訪れるのでしょうか。



 最後に、高度に文化的な釣りの話をして締めようと思います。
「釣りのスキルというのは狩猟能力に依存するわけだから、どう転んでも野蛮なスキルだよね。」
 西洋から「文明化していない=野蛮」という価値観が絶対であると日本も福沢諭吉をはじめそれに倣ったわけですが、文明が文化と言われるようになり、つまり価値が多様化した中でそれまで一方的な悪としての野蛮という価値観が歴史的に変化してきたわけです。
 余暇、レジャーの発祥もそんな価値が多様化していく中で、公衆衛生として酒浸りだった西洋諸国の国民を旅行という酒以外の娯楽を与えるという中で発展していきました。そんな中、レジャーとして釣りも含まれるようになり、釣りも文化的な活動の一員となったわけです。
 そこで、文明化されていない者たちを「野蛮」と呼んでいた連中こそが野蛮だったのだという現在の視点からの批判をシニカルに曲解して、釣りが余暇の活動として文化的な行為として捉えられているけれど、元は狩猟活動の派生なわけだから、それに使うスキルはどう考えても野蛮と呼ばれていた文明化されていない人々が使っていたスキルだよねというネタです。歴史の流れと価値、イデオロギーを勉強しないと理解できない高度に文化的な釣りの話でした。

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There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
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