この世こそセカンドライフ

 スクエア・ビルの話なのに、結局そのルアーで釣るまでのプロセスとして、キャスティングがアングラーたちにとって最も重要であると触れた前回のエントリーいかがだったでしょうか。基本ができていない連中が細かいこと気にしたり、言っても無駄という典型例です。特にクランクベイトの釣りでは、キャストの距離感なくして、潜行深度、そして潜行角度について知り得ることもできないのです。
 リールのギアレシオどころか、ラインサイズ変えただけでリトリーブ・スピードが変わるなんて言ってるブログなんてここしかないという偏見がありますが、それも同じ速度でリールハンドルを回しても、キャストした先のスピードと足下のスピードに違いがあるわけで、結局はキャストの距離感なくしては語れないのです。



 さてキャストというものがどれほど重要なのか理解して頂けたことを前提として、次に大事なのは"hook-setting"または"set the hook",つまり魚に針を掛けるという動作フッキングです。


Try Slack Line Hook Setting
"Don't get into a feeling contest with a bass - you'll lose..."
by Dave Precht

 プラスティック・ワームをついばむバスに針を掛けることが意味するのは、真の[トーナメントの中での]強さではありませんが、そこには機敏さと巧妙な処理がありますと、1971年と1978年にBassmaster Classicで、その巧みさを使い2度制したTennessee州Nashville出身のBobby Murrayは言います。

"Murray's Magic Move" - これはMurrayが最初に学んだ、ストライクがあればゆっくりと激しくフッキングする方法より2倍以上確率を上げることができます。
 あなたの親しみがある古い方法は、バスが偽物のワームに"taps/アタリ"が出たら、ロッド・ティップの角度を落とし、スラック・ラインを全て回収し、もし次の瞬間に魚を感じれば、可能な限りの力を入れて後ろに引っ張ります。
 この方法では、その過程の中でボートが転覆するとでも脅さなければ、あなたは正しく針を掛けることができないでしょう。そしてBASSerは、魚を激しく引っ張ろうとしてボートから落水したとしても、彼はいかに「激しく」針を掛けようとしていたのかというほら話にすり替えてしまうでしょう。
 フッキングの力は、直接的にかける力とは関係ありません。そこには技術があるとMurrayは強調します。
 "Murray's Magic Move" - まずバスがワームを吸い込み、ラインが"tap/アタリ"を伝達します。
 水面と平行になるぐらいにロッド・ティップを下げます。
 魚と向き合っているか、魚が向かう方向の逆方向に引っ張ることを確認します。
 リール・ハンドルを2回回します。
 肋骨に肘をぴったりと付けて、ロッドを素早くシャープに振り上げます。
 このとき、ラインはスラックが無くなっている状態です。そしてリール・ハンドルを可能な限り速く5回転させます。
 バスを通常と同様に遊ばせます。
 Murrayはこのテクニックをバスで1000回以上練習し、この1から6のステップを通常1-2秒の間にこなします。
 多くのBASSerが、バスがワームを持って行ってフッキングするのに十分であるにも関わらず、フッキングするか悩んでいるとき、Bobby Murrayは既にバスにフッキングしているのです。
 鍵となるのは、ロッド・ティップを落として、ライン・テンションをすぐにでもワームから取り除くことです。「魚と引っぱり合うように感触を確かめようとしてはいけません。魚を逃すことになります。」とMurrayは言います。
 ラインにスラックを出してから、ロッドを後ろに引くことで、瞬間的に推進力が生まれます。そしてライン・スラックが無くなった瞬間にワームから針先が飛び出し、バスに貫通するのです。
 ステップ中に2点あるリール・ハンドルを回転させることは非常に重要です。最初の2回転は、フックを掛けるために必要な力を伝える適切なスラックを生みだします。そして最後の5回転は、針を骨組織にバーブの深さまで確実に貫通させるために必要です。
 「この方法でフックが貫通しない場合、別の方法も試してみるべきです」とMurrayは言います。「リール・ハンドルを十分に素早く回すことで、針を貫通させることもできます。」
 同様に、体の近くに肘を近づけておくことが重要です。これによって、より少ない労力で力を伝達することが可能となります。
 「多くのアングラーたちが行うように、もし腕を伸ばしたままフッキングをすれば、魚がボートに向かって泳ぎだしてしまえば、全ての主導権を魚に握られることとなり、ロッドとリールを頭上か真後ろに持って行ったとしても魚を逃すことになるでしょう。」とMurrayは指摘します。
 Bobby Murrayはこのテクニックを、ワーム・フィッシングの巧い人たち、Bill Dance, Tom Mann, Roland Martinやその他の人々の理論を学ぶことで立脚して、発展させてきました。
 「この方法を使うことで、Bill Danceのように体格が良くなくても、多くの人々できないようなフッキングをすることが可能となります。」
Try Slack Line Hook Setting





Reference
Bassmaster Magazine; Volume 13,No.5; July/August 1980, pp.30

 1980年のBassmaster Magazineに書かれていることすらできていないのに、一体何言ってるの?ということです。フッキング時の動画を見る限り、Elite Prosは確実に上記のことができていますが、日本人はその体勢に入ったとき肘が体から離れています。
 そもそもフッキングすることができないぐらいのライト・タックルを使っていることが原因ですが、バスの顎の部位ごとに、それぞれ針を貫通させるために必要な力は変わってきます。場所によっては8lbs以上の力が必要な場所もありますが、そこへ3lbラインで針を掛けようとすること自体、物理的に不可能なことが理解できないのでしょうか。そうです、彼らは自らで、魚に針を掛けることを諦めているのです。何としても魚が釣りたいからこそライト・リグに手を出すのに、結果的に顎のとある部位には絶対にフックを貫通させることができないという選択肢をわざわざ選択しているというのは何と皮肉なことでしょうか。
 アングラー側の技術でどうにかなる問題は、フックが切れる針先であることを確認しておくこと、そしてフッキングの方法を確立しておくことぐらいしかありません。特にフッキング動作は教わったことがある人というのは限りなく少ないのではないでしょうか。なぜなら教える人たちが皆、フッキング動作についての体の使い方、特に肘のホールディング・ポジションと、その力学的な理論、瞬間加重という存在を知らないのだから仕方がありません。
 瞬間加重というのは、引用文にもありますが、ライン・スラックが出た状態でロッドを鋭く振り上げ、瞬間的にライン・テンションを掛ける方法です。つまり、ライン・テンションが掛かった状態からロッドを鋭く振り上げても針先に加重は思うほど掛からないということです。
 キャスティングの方法を教えられる人ですら出会うのは難しいことですが、フッキング動作を教えられる人に出会うのは、もう天文学的な確率です。


 つまり何が言いたいのかというと、自分ではどうにもならない道具のことなんて後回しで、そもそも自分でコントロール可能なキャスティング、フッキングを、我々は最も重要視するべきだということです。基礎がない人から教わることなんてありませんし、基礎を理解するということは、それを聞かれてもインストラクション・指南できるということです。
 当初の自分の方向性は、確実に基礎を消化した人たちだったわけですが、勘違い甚だしい日本の記事を読んだり、番組を見たりすると、基礎コンテンツをつくっておくことが要求されているのだなと実感します。そしてこれをブログという形式であるが故に「あとどれだけ叫べばいいのだろう」と悲しくなります。

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Private comment

No title

お久しぶりです。フッキングについては僕は恵まれています。今から10年以上前にヒロさんに釣り具店で教わったからです。その頃[今も]日本の雑誌で正しいフッキングの仕方など紹介されておらず、バンザイフッキングがカッコいいなんて風潮でした。ヒロさんに実演で瞬間加重の有効性を教えていただき子供ながらに驚いたのを覚えています。

Re: No title

コメントありがとうございます。
 お久しぶりです。キャスティングとフッキングは、自分でコントロールできることであるにも関わらず、誰も重点的にその必要性や重要性を説いていない現状に危機感を持たないことの方が、感性的に何か欠けているのだと思っています。
 多くの人たちは、フィッシング・プレッシャーとか、自分がコントロールできないことばかり言い訳にするんですけどね。かと言って自分がコントロールできることをしているのかと問えば、していないわけで何とタチが悪いことか(笑)

 あと近距離でフッキング動作をするときは、ツバのある帽子を被って、自分の顎を引いておくと、顔目がけてルアーが飛んできてもツバがガードしてくれる確率が高いので安全ですね。偏光グラスなどもこういったときには、目を保護する役割になりますね。

 今続編をゆっくり作成中です。長編記事なので、時間がかかるかと思いますので、こういった話題に興味を持てるosawaさんなんかは、こっそり楽しみにしていてください。
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arb1200

Author:arb1200
There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
Curation which is the definition of my blog.
http://twitter.com/#!/arb12001

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