スパイク 「どっかのブルースマンが、ブルースの定義を聞かれてこう言ったそうだ。『ブルースってのは、どうにもならない困り事を言うのさ。』」

 もはや日本では誰も言及しなくなった、アプローチの基本について紹介しておこうと思います。ボート・フィッシングの基本でもあり釣りの基本でもあります。それは以前のエントリーでデプスファインダーについて言及した続編であると捉えてもらうとより的確な目標を持って釣りをすることができるはずです。

 なぜグラス、ウィード、submerged grassといった場所で釣りをするときに、そのエッジが重要なのか、考えたことがあるでしょうか。バスはそのグラスというカヴァーを使って姿を隠し、餌を食べるため、待ち伏せするようなかたちでそこに居るのです。
 つまりグラス・エッジに居る魚は基本的に何か捕食しようとしていたり、好奇心旺盛に何かを待っているわけです。何が言いたいのかというと、エッジに居る魚は最もルアーに反応しやすいため、釣りやすい魚から釣れば効率が良いということです。
 以下のような図解があります。
Matching Tactics for Condition

 Active,活性の高いと表現される魚は、このように浮いているか、エッジからすぐにでも餌を食べに飛び出せるような位置取りをしています。エッジの捉え方も、もちろんグラスの生え際がエッジですが、エッジの中でもグラスの先端にルアーをぶつけていこうとするという考え方が効率的です。つまりcover within cover,カヴァーをグラスという広義に捉えたら、そのグラスというカヴァーの中に細かい変化を探していくということです。ポケットと呼ばれるグラスが生えずに穴になっている場所もエッジが生まれること、グラスにも生育具合で段差ができていることでエッジが生まれるといったことも忘れてはなりません。
 そして、neutral,特に餌を待っているわけでもなく、通常の状態のバスです。こういったバスは、activeのバスと比べて、クランクベイトやスピナーベイトをエッジの角にぶつけていくだけでは反応しきれなかったり、追いきれなかったりします。そこで釣り方をわずかにスローダウンさせるのです。この図解では、シングルコロラドのスピナーベイトのヘリコプターテクニックが使用されています。
 最後にinactive,活性の悪いバスに対してです。neutralでもなければ、最後は釣りのスピードを下限まで落としたソフト・プラスティック・ベイトやジグという、完全なヴァーティカル・フィッシングとなります。
 気がつかれたと思いますが、あくまで魚を探すのに、魚の状況がわからないのにいきなりパンチングだのライトリグといったソフト・プラスティック・ベイトで釣りをしているようでは、activeの魚のみならず、neutralの魚まで逃してしまい、さらに釣りのスピードが遅いために、広く場所を探っていくことさえできなくなってしまうということです。
 従って例外として、それらの釣りのアプローチを練習したいといったときは、自分から魚を逃しているという理解がある前提さえあれば問題ありませんが、しかし、魚の1日で変化する動きといったことは、いつまで経っても経験することができませんし、経験がなければ理解することさえできないと自称している人たちが大量に存在することから、そういったことは尚更推奨することはできません。つまり、「よくある言説として『本の勉強より生の経験の方が価値がある』的な話があるけど、その本ってやつは、どっかのすごい頭良い人が何十年か分の勉強と思索と『経験』を詰め込んで書いてるってことにみんな気づいてるのでしょうか。」ということが理解できていない人たちのことです。

 さてバスに対して、ルアーは頭にぶつけていくリトリーブ・パスが基本だと何度か申したことがあると思います。一体なぜ頭にぶつけていくリトリーブが基本なのでしょうか。
 人で例えるなら、回転寿司の、カウンターではなく、人と向かい合うテーブル席を想像してみてください。死角となる背中側から寿司の皿がレーンに乗って流れてくる席、遠くのものを確認できる正面に寿司の皿が流れてくる席の2つがあります。
table

 どちらの方が食べやすいでしょうか?(笑)正面に寿司を見られる人は、人と話していても流れるレーンを視野に入れることができます。しかし、背中から流れてくる席は身をよじって後ろを何度も確認していないと、食べたい寿司が急に、肩越しから出現して、反応して取ろうとしたときには手を目一杯伸ばさないと取れないか、油断すると取り過ごして目の前に居る人に取ってもらうよう頼まなくてはなりません。
 つまり、目の前に送り込まれてきた食べものの方が人間だって食べやすいのです。そして、それはバスという魚にも言えることで、人のように思考能力を持つわけでもなく、本能で行動を左右する生き物なら、その傾向は顕著に現れるということです。大事なことなので何度でも言いますが、バスは所詮魚なので、人間のように考えることはありません。「真に純粋な生命の世界は利己的なルールが支配している。」ということです。

 ここから、基本があれば応用があります。バスの尻尾側から頭へリトリーブする時は、ルアー・スピードをスローにする必要があるように考えた人が居るかもしれません。回転寿司の例に戻ってみましょう。注文した品が注文専用皿に乗ってレーンを流れてくると、そのテーブル席を通る前に呼び鈴がなるように設定されている店があります。そうです、ラトルなどといった音を立てて、バスに近づいていることを気がつかせて、ルアーへ頭を向けさせてやれば良いのです。回転寿司でも、死角である背中からレーンを流れてくる皿が、ガチャガチャと大きな音を立てながらテーブルに向かって流れてきたら、自然とそちらを振り向くのではないでしょうか。
 ラトル音を自分から仕掛けて使っていく、ルアーフィッシングの面白さというのは、こういったところのことを言います。つまり、どうしても尻尾側からルアーを通さなくてはならない、一方向からしかリトリーブできない、キャストすることができないなど、アングラーが不利に立たされたとしても、ルアーにそういった要素を入れてやることで、自分から圧倒的優位に釣りをしていくことができるということです。大事なことなので何度も言いますが、これこそがルアーフィッシングの醍醐味です。

 加えて重要なのは、バスはルアーを数メートルも追いかけてストライクすることはないと考えることです。至極稀に1.5m程度の距離からストライクすることがありますが、それ以上の距離からのストライクはほぼ無いと考えると良いでしょう。基本的にバスの頭、目の前にルアーをぶつけていくのが基本だということです。最初に考えるべきイメージとして、バスの目から50cm直径の球体にルアーをぶつけていくことが重要です。
 例えば、バスの目の前10cmを通したルアーと、バスから100cmつまり1m先にルアーを通した場合、その違いは10倍であるように考えられますが、それはあくまで2次元上であり、水中は3次元の球体積でストライクゾーンを計算することから、最大1000倍の違いが出るということです。実際は死角の関係上、そのまま当てはまらないとは思いますが、大きく違うということを考えてみるべきなのです。
 バスが釣れる場所を鳥瞰図で見れば点で絞って釣る、それを脳内では3次元イメージに戻して球体積で想像して釣りをするという作業は、自分の今まで得た経験や知識を理論立てていくことにつながり、理論体系化することでよりシンプルに釣りを考えられるようになる第一歩ではないでしょうか。




Reference

pp.91


 こういったことを解説しないと、効率性の高い釣りと低い釣りの区別さえつかないという前提をすっかり忘れていたように思います。別にクランクベイトやスピナーベイトを使っているから効率が良いわけでもありませんし、あくまで、その瞬間に釣りやすい魚を狙って釣っていくということです。そして、前提として、イラストのように、3種類のバスで分ければ、クランクベイトやスピナーベイトを水平方向にリトリーブして釣れないから、すぐにジグやテキサス・リグに変更ではなく、その中間の釣りが存在していることに気がつき、確認作業の方法が広がり、急にソフト・プラスティックの釣りにするよりかは遥かに1度の釣行で探れる面積が増えるのではないでしょうか。
 そして、その水系に居る全ての魚が一斉ににactiveになることも、neutralにもinactiveになることもありません。あくまで、その時間、その瞬間ごとの多数派の魚、majorityがどの状態なのか判断することで釣果を伸ばしていけるというのも重要なことです。

 何が何でもライトリグを出したから釣れたと思い込みたい人たち、そこからルアーフィッシングが何なのかすら見失ってしまった人たち。バスフィッシング・ブルースはまだまだ続きます。

Post a comment

Private comment

Profile

arb1200

Author:arb1200
There are main contents.KVD;Kevin VanDam,He is a one of my angling hero.I translate his article in Japanese.Also BASSMASTER Magazine and BASS Elite series pros info too.
Curation which is the definition of my blog.
http://twitter.com/#!/arb12001

Latest journals
Latest comments
Monthly archive
Category
Latest trackbacks
Favorite
ジャークベイトの基礎/定番 ARB
定番2 Long A 14A
BOMBER ボーマー Long"A" ロングA B14A

BOMBER ボーマー Long"A" ロングA B14A
価格:820円(税込、送料別)

 もっとも安定したアクションを生みながら、もっとも頑丈に作られているロングA。  ARCについて「多くのバスプロ達が求めたのはゾーンが深い方のルアーだったため、リップをディープダイバーのものにしてあります。」ヒロ内藤



Test ad
Mail form

Name:
Mail address:
Subject:
Body:

Poll Question
Link
Reference
Favorite 2
Display RSS link.
Friend request form

Want to be friends with this user.

Favorite 4